東京電力福島第一原発事故を検証するニュースサイト( https://level7online.jp/ )より
根拠の無い「合理的な判断」 武藤・元東電副社長の証言
(2021年5月27日(木) 第59回口頭弁論)
福島第一原子力発電所の事故で東京電力が被った被害について当時の経営者たちの責任を問う株主代表訴訟(東京地裁)で5月27日、3回目の証人尋問が開かれた。この日は専門家への反対尋問と、被告の武藤栄・東電元副社長(70)への尋問があった(この記事では武藤氏の尋問について述べ、専門家については別記事でまとめる)。
武藤氏が証言台に立つのは、刑事裁判での被告人質問(2018年10月)[1]以来だ。武藤氏は、社内の会議で東北地方の地図をホワイトボードに書きながら部下と津波予測についてやりとりした様子などを説明。そして15.7mの津波高さが予測されていた2008年7月の時点ですぐに対策に着手せず、土木学会に検討を委託した判断を「合理的だった」と何度も強調した。しかし同時期の他の電力会社と比べて劣る東電のやり方がなぜ「合理的」なのか、傍聴していてもわからなかった。
先送りは本当に「合理的」だったのか
東電は2008年3月には福島第一で高さ15.7mの津波予測を得ていた(敷地の高さは10m)。それを聞いた武藤氏は7月31日の社内会合で
- すぐには対策に着手しない。
- 津波想定について土木学会に検討を依頼し、その結果にしたがって対策をする。
- 当初2009年6月までに提出する予定だった想定見直しの報告書(耐震バックチェック最終報告書)は、古い想定(2002年、5.7m)のまま提出する。その方針を専門家に説明して回る。
ように部下に指示した。
武藤氏は「振り返ってみても、あれ以外のやり方は取りにくかった。合理的な判断だった」と強く主張した。
これらの指示は、武藤氏の言うように「合理的」なのか検討したい。
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