東電原発事故の真実を伝えるサイト「Level7(原発報道・検証室)」でシリーズ連載されている、科学ジャーナリスト添田孝史さん執筆の「国の責任を考える 」を転載してご紹介します。
目次
【国の責任を考える その1】 2002年8月 国と東電、福島沖の「津波地震予測」を葬る(2022年5月7日)
東京電力福島第一原発事故について、住民らが東電と国に原状回復や被害救済を求めた集団訴訟で、国の責任について最高裁が6月にも結論を出すとみられている。国や東電がどうやって事故を引き起こしたのか、原子力規制委員会が2022年3月に開示した文書などから、ふりかえってみる。
まずは事故を防ぐ決定的な機会だった2002年8月の出来事を、原子力安全・保安院で当時、津波のチェックを担当していた川原修司・原子力発電安全審査課耐震班長が東京地検に供述した調書全16ページ(写真1)[1]を中心に見ていく(敬称略)。
続きは、https://level7online.jp/2022/20220507/
【国の責任を考える その2】 2006〜2007年 国と東電、津波の想定超え対策を葬る(2022年5月16日)
前回[1]述べたように、原子力安全・保安院は2002年8月、津波想定の見直しを東電に迫ったものの抵抗され、津波対策をうやむやにされてしまった。今回は、それ以降にも過酷事故を防げたチャンスがありながら、活かせなかった失敗に焦点を当てる。